
脱ダサいドメイン!事業のために効果的な名前を付けよう
新しい事業を始める際、ウェブサイトは重要なビジネスツールとして欠かせません。
SNSやアプリが発達し、多角的なアプローチが必要な時代となりましたが、ウェブサイトはその自由度の高さや情報集約性から依然として重要な位置を占めています。
そのウェブサイトの「顔」とも言えるのがドメイン名です。
普段ウェブの世界に触れていない、あるいは一般ユーザーとしてウェブを利用している事業主の方々にとって、「ドメイン」と言われてもなじみがないかもしれません。ある日突然、社内でウェブ担当に任命された方でも同様に感じる方が多いでしょう。
その結果、思いつきでそれっぽい名前をつけがちです。
例えば、
「うちの会社の名前は◯◯だから…あ、でも◯◯.comはもう取られてるな。◯◯.ccなら取れるぞ!これにしちゃおう!」
「うちの会社の商品でサイトを作るぞ!.co.jpは法人用のドメインで信頼度が高いらしい。よし、これにしよう!」
これらはあまりオススメできない例です。その理由については後述します。
ドメインはブランディングの一環として重要な役割を果たします。
適切なドメイン名は、ユーザーに対する第一印象を決定づけ、信頼性を高め、ブランドの認知度を向上させます。ここでは、「脱ダサいドメイン」をテーマに、事業者が押さえるべきドメイン選びのポイントをご紹介します。
INDEX
そもそもドメインって何?
まずは前提から解説します。よくわからないから答えだけちょうだい!という方は読み飛ばしてしまっても大丈夫です。
ドメインとは?
ドメイン(ドメイン名)は、インターネット上のウェブサイトの住所に相当するもので、ユーザーがウェブサイトにアクセスするためのURLの一部です。例えば、www.example.com
におけるexample.com
がドメイン名です。ドメイン名は以下のように3つの主要な部分で構成されています:
- サブドメイン(例:
www
) - 第二レベルドメイン(例:
example
) - トップレベルドメイン(TLD)(例:
.com
)
サブドメイン
サブドメインは、主ドメインの前に位置し、主にウェブサイト内の特定のセクションやサービスを示します。www
は「ワールドワイドウェブ」を意味しますが、他の文字列も使用できます。例えば、mail.example.com
はメールサービス、blog.example.com
はブログを示す場合があります。
第二レベルドメイン
第二レベルドメインは、通常、企業名やブランド名を表し、ドメイン名の中心部分です。例えば、example.com
ではexample
が第二レベルドメインに当たります。
トップレベルドメイン(TLD)
TLDはドメイン名の最上位に位置し、ドメイン名のカテゴリや用途を示します。例えば、.com
は商業用、.org
は非営利組織用、.edu
は教育機関用(主に米国)を示します。
ドメイン名の役割
ドメイン名はウェブサイトの識別やアクセスを簡便にし、ブランド構築に役立ちます。ユーザーがウェブサイトにアクセスする際の入力や記憶が容易であり、信頼性を高める要素となります。また、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)という組織によって管理され、レジストラを通じて登録・取得されます。
トップレベルドメイン(TLD)の種類
一般トップレベルドメイン(gTLD)
- .com: 商業用
- .org: 非営利組織用
- .net: ネットワーク関連
- .edu: 教育機関用(主に米国)
- .gov: 政府機関用(米国)
- .mil: 軍事用(米国)
最近では、新しいgTLDが多数追加され、.xyz
、.tech
、.online
など、特定のテーマや用途に特化したものも登場しています。
国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)
ccTLDは特定の国や地域を示すドメインです。一般に各国の2文字コードが使用されます。以下にいくつかの例を示します:
- .jp: 日本
- .us: アメリカ
- .uk: イギリス
- .cn: 中国
- .de: ドイツ
その他のトップレベルドメイン
これに加え、インターネット上では特定の目的やコミュニティに対応するために設けられた特殊なTLDも存在します。例えば、.int
は国際機関用、.arpa
はインフラストラクチャ用です。
なぜ冒頭例のドメインがダメなのか
「うちの会社の名前は◯◯だから…あ、でも◯◯.comはもう取られてるな。◯◯.ccなら取れるぞ!これにしちゃおう!」
理由:信用度を考慮していない
ドメインを選ぶ際に「取れるから」という理由だけで決めるのは避けるべきです。
例えば、会社名を仮に「abc」とします。
「abc.cc」は一見シンプルで、会社名も入っているため良さそうに見えます。しかし、「.cc」は日本のドメインではなく、オーストラリア領ココス諸島に割り当てられたものです。
多くの国では、その国に住所がなければ特定のトップレベルドメイン(TLD)を使用できないようにしていますが、一部の国では国外でも使用できるように開放しています。そのため、日本からでも「.cc」ドメインを取得し使用することができます。
もちろん、トップレベルドメインと文字を組み合わせることで商品や事業に結びつくなら問題ありません。例えば、ツバルの「.tv」やインドの「.in」などは、商品やサービス名と組み合わせることで非常にカッコよく使えます。
しかし、日本の法人が特に理由もなく「.cc」を使用するのはおすすめしません。ドメインには信用度があります。例に挙げた「.cc」は、取りやすさや安さから迷惑サイトや詐欺サイトに使用されることが多々あります。
私たちが生活や旅行の際に「あの地域は治安が悪いから気をつけよう」と思うのと同様に、「あのドメインは怪しいサイトが多いけど…このサイトは大丈夫かな?」と感じるユーザーも一定数存在します。
「うちの会社の商品でサイトを作るぞ!.co.jpは法人用のドメインで信頼度が高いらしい。よし、これにしよう!」
理由:「.co.jp」は法人格一つにつき、一ドメインしか取得できないため
「.co.jp」は日本で登記している法人格しか取得できず、その信用度は非常に高いです。
会社名と商品名が同じであれば問題ありませんが、商品名やサービス名をドメインに含めてしまうと、将来的に事業を拡張する際に不便です。「.co.jp」ドメインは会社名で取得するのが望ましいです。
脱ダサいドメイン選びのポイント
さて、ではどんな取り方が良いのかを解説していきます。これらはあくまで「推奨」しているものです。自由に取得できるものに制限はありません。ウェブに触れているプロの目線から見て、「良い!」と思えるようなドメインを選ぶための指標です。
ですが、事業を始める際に適切なドメイン名を選ぶことは、ブランドの認知度や信頼性に大きな影響を与えます。以下のポイントを考慮して、ビジネスに最適なドメイン名を選びましょう。
1. シンプルで覚えやすいドメインを選ぶ
ドメイン名は短くてシンプルなものが理想です。ユーザーが簡単に覚えられ、ミスなく入力できることが重要です。複雑なスペルや長すぎるドメイン名は避けましょう。例えば、example.com
は覚えやすく入力しやすいですが、thisisaverylongandcomplicateddomainname.com
は入力ミスを誘発しやすく、覚えにくいです。
2. ブランド名を含める
ドメイン名には、できる限り自社のブランド名や企業名を含めるようにしましょう。ブランド名が含まれていることで、一貫したブランディングが可能となり、ユーザーがあなたのビジネスを認識しやすくなります。例えば、tokyobakery.jp
のように、ブランド名と地域名を組み合わせることで、特定の地域に根付いたビジネスであることをアピールできます。
3. キーワードを活用する
事業内容に関連するキーワードをドメイン名に含めると、検索エンジン最適化(SEO)に役立ちます。例えば、エコ関連の商品を販売するビジネスであれば、greenenergytech.com
のように「green energy」というキーワードを含めると効果的です。ただし、無理にキーワードを詰め込むと、逆に覚えにくくなるので注意が必要です。
4. 適切なトップレベルドメイン(TLD)を選ぶ
ドメイン名の最後に位置するトップレベルドメイン(TLD)は、ドメイン名の重要な要素です。一般的には.com
が広く認知されています。しかし、特定の地域をターゲットにする場合は、国別コードTLD(例:.jp
、.us
)を選ぶことも有効です。
日本で展開している法人格、事業であれば、日本に登記している法人格しか取得できない co.jp
、日本に住所がある事業者・個人しか取得できない .jp
は非常に高い信頼度を持ちます。
また、最近では.shop
、.tech
、.online
など、新しいgTLDも増えており、ビジネスの内容に応じて選ぶことができます。ビジネスに深く関連するものであれば選択肢の一つにいれるべきです。
5. 法的な問題を避ける
ドメイン名を選ぶ際には、他社の商標権を侵害しないように注意しましょう。商標を侵害すると、法的なトラブルに巻き込まれる可能性があります。事前に商標検索を行い、ユニークなドメイン名を選ぶことが重要です。
こういったトラブルは法人ではなかなか無いと思いますが、個人事業主の方も気をつけてみてください。
6. 将来的な拡張性を考慮する
ビジネスが成長する可能性を考慮して、将来的な拡張性を持たせたドメイン名を選びましょう。例えば、特定の商品やサービスに限定されたドメイン名ではなく、ビジネス全体を包括するような名前を選ぶと良いです。
7. ソーシャルメディアとの一貫性
選んだドメイン名が、ソーシャルメディアのハンドル(ユーザー名)としても利用可能か確認しましょう。一貫した名前を使用することで、ブランドの認知度が向上し、ユーザーにとっても覚えやすくなります。
例
以下に、良いドメイン名の例をいくつか示します:
- 短くシンプル:
cookwell.com
- ブランド名含む:
tokyobakery.jp
- キーワード含む:
greenenergytech.com
- 地域特化:
osakahotels.jp
- 新しいgTLD:
fitnessonline.shop
おすすめドメイン事業者
使用したことがあり、快適だったドメイン事業者をご紹介します。
Value-Domain

選んだ理由
- サイトがリニューアルしてから管理画面が見やすくなった
- 若干玄人向けだか細かい設定が行える
- ドメインとサーバー同時申し込みでドメイン費用が実質0円
- 20年以上運営している実績があり、信頼性が高い
ムームードメイン

選んだ理由
- 初心者向け
- 格安サーバー「ロリポップ」との親和性が高い
- 管理画面は若干古いが、シンプルなメニューで混乱しにくい
まとめ
適切なドメイン名を選ぶことは、ビジネスの成功にとって非常に重要です。シンプルで覚えやすく、ブランドやキーワードを含んだドメイン名を選び、適切なTLDを使用することで、ユーザーの信頼を得ることができます。また、法的な問題を避け、将来的な拡張性を考慮することで、長期的な成功を目指しましょう。「脱ダサいドメイン」を実現し、ビジネスの成長をサポートするドメイン名を選びましょう。
この記事が、事業者の皆様が最適なドメイン名を選び、成功への第一歩を踏み出す手助けとなれば幸いです。