実店舗におけるSEO施策の考え方!安易な「ビッグワード」狙いは無駄な出費に繋がるかも
初めに予防線を張っておきますが、この記事は一個人の意見です。制作会社や担当する方の考え方・戦略によっては異なった意見を持っている可能性があります。
ですが、仕事としてSEO施策を行ってきた一個人の意見でもあります!
今回の記事は「マーケティング費用なんてジャブジャブ使いますよ!」なんて余裕たっぷりの事業者、「すでに強いドメインを持ってます」という事業者には向いていないと思います。
- SEOのタグ設定や文法は対策済み
- 実店舗への集客が目的
- なるべく少ない費用で
- 効率よく
……という小中規模の事業者向けです。「SEOが未知の領域で不安だから、反応を見てから本格的に資金を投入したい」という担当者の方にも丁度良いかもしれません。
オンラインで完結する商売であればビッグワードを積極的に狙っても良いと思うのですが、ウェブサイトを利用して実店舗での売上を増やすことを目的としている場合は、むやみにビッグワードを狙うと費用がかさんでしまう可能性が非常に高いです。
『WEBMARKS』などSEOマーケター志望者向けの受講スクールを提供している会社もありますので、「用語がさっぱりわからん!」という方はとっかかりとして活用してみてください。これはフリーランス向けですが無料カウンセリングも実施しているので気軽にチャレンジできますよ!
SEOを外注に出すのも良いですが、こういったスクールで知識を身に着けて自身や社内に知識を蓄えるのも大事です。SEOマーケティング会社の担当者に良いように言いくるめられて不必要に経費を使い込んでしまうことを防げますからね!
INDEX
何故ビッグワードを狙わないほうが良いのか
そもそもビッグワードって何?という方のために以下。
ビッグワード(英:Big Word)とは、検索エンジンで多く検索されるキーワードを言う。 ビッグワードの特徴として、抽象度が高く、汎用的な言葉である点が挙げられる(車、病院、ペット等)。 よって、ビッグワードをSEOに使うと、検索結果が膨大になり競争率が高い。
ビッグワード(ビッグワード)とは | BtoB 受発注の用語集
基本的にSEM(サーチエンジンマーケティング)において競争率が高い=費用が高くなります。ただ単に同様のキーワードを扱っているページが多いがために競争率が高い可能性もありますが、多くの場合『得があるから競争率が高い』のです。
実店舗集客のためのキーワードは絞り込んで狙う
さて、実店舗での集客では「ニッチなキーワード」を狙うことをオススメします。実を言うとニッチなキーワードを狙うという戦い方は実店舗での集客に限らないのですが、個人的に実店舗の集客であればより効果的なキーワードを選びやすいと考えています。
往々にして「ニッチなキーワードを選ぶとして、じゃあどんなキーワードが良いのさ?」と非常に頭を悩ませることになるのですが、実店舗であれば『地名』というキーワードの絞り込みに最適な武器があるんです。
パン屋で例えてみる
数だけが問題というわけではないのですが、今回は”どれだけの競合が存在するか”というのをわかりやすく検索結果で考えてみます。
(特に無くても良い設定)
東京都でパン屋を経営していて基本的なパンの種類は揃えている。
目玉の商品は特に無いけれど、地元の人から愛されているごくごく普通のパン屋さんです。
まずは「パン屋」で検索
検索結果 約385,000,000 件、堂々のビッグワードです。
もしもこの検索ワードで上位を取れたなら店舗の知名度は爆上がりですが、ライバルも多く目標達成までにかかる費用と時間は相当のものになります。
また、検索した人が遠方に住んでいる場合もあり、来店してくれるとも限りません。
検索した人がGoogle検索の位置情報を許可していれば、その人のいる地域に関連したパン屋のサイトを上にあげてくれるのですが、検索した人がその地域にいるとは限らないのでアテにできません。
かけた費用に対して期待できるリターンが低い印象があります。
今度は「パン屋」と「吉祥寺」で検索
さて、今度は店舗がある地域の名前で絞り込んでみました。
検索結果 約6,610,000 件、およそ1/58まで減りました。
運営している店舗が「パン屋」ではなく「クリーニング店」や「メガネ屋」など、より専門的な店舗であったらこの時点ですでにかなり競合が少ない可能性があります。
具体的な地名で検索している人は購買意欲が高い傾向にあります。「パンが買いたくて吉祥寺のパン屋を調べている」という人が大多数のはずだからです。
このくらいまで絞ると地域のパン屋を特集した情報サイトが検索上位で目立ちます。
地域の情報を紹介しているサイトはページ数が多く、検索エンジンからの評価も高いことが多いので上位に上げるのはなかなか骨が折れます。
もしも上位に存在する情報サイトに自分の店舗が載っているなら、焦って検索順位を上げる必要はないかもしれません。これは向こうが勝手に自分の店を宣伝してくれている状態です。便乗していきましょう!
SEOではなくSEMの括りになりますが、競合が少ない、または見込める単価が大きいのであれば『リスティング広告』の使用も検討してみても良いかもしれません。見込める来客数と成約単価の試算はお忘れなく!
次は「吉祥寺」「パン屋」「メロンパン」で検索
次は店舗がある地域と、取り扱っている商品を組み合わせてみます。
検索結果 約65,100 件、かなり絞り込んでいます。仮に「吉祥寺」「メロンパン」なんかでも約110,000件だったので、こういった絞り込み方をすると競合は非常に少なくなることが分かります。
これならイケる気がしませんか?
数枚ぺらぺらと日記のような記事を書いただけではなかなか難しいかもしれませんが、それなりに目標を定めてキーワードを意識すれば、このくらいの検索キーワードの上位表示はそこまで困難な道のりではありません。
それに「吉祥寺」の「メロンパン」を扱っている「パン屋」を探している人がたどり着いたわけで、購買意欲はビッグワードに比べて非常に高いことが分かります。
細かいキーワードの物量で勝負してみる
『「吉祥寺」「パン屋」「メロンパン」で検索する人が少ないって事でしょ?そんなの狙ってどうするの?』と思う方もいるかもしれません。
……そう!確かにこの組み合わせ”だけ”を狙っても大きい効果は出ません。
では、「メロンパン」の部分を「クロワッサン」「食パン」「サンドウィッチ」「塩パン」にして、その全てのキーワードで検索上位を獲れたら……!?と考えてみてください。
塵も積もれば山となる。結構な数字になる気がしてきませんか?
パン屋で例えてしまったので少し飲み込みにくいかもしれませんが、ご自身の事業に置き換えて考えてみるとなんとなくイメージがわいてくるのではないでしょうか。
まとめ
実店舗での集客を目的としたSEOでは以下のことが重要だと考えています。
- 購買意欲の高そうな絞り込み方をする
- より効率の良いキーワードを選定する
シンプルですが、この絞り込みやキーワードの選定には業種や事業形態、取り扱っている商品、競合サイトの存在などを加味して俯瞰的視点を交えながら決めていく必要性があります。
また、実店舗での集客にはGoogleマップなどで検索上位に表示させることも効果的です。これは「MEO」と呼ばれるもので、SEOと並行して施策を行っていくのをオススメします。
リサーチや効果測定に時間が取られてしまうので、基礎的なことだけ把握しておいてWebマーケティングを専門的に取り扱っている会社へ委託してしまうのは決して悪いことではないと思います。自分自身の時間単価と照らし合わせながら、活用してみてください。